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一輪の花 後編 (土千)

はい、後編です。
本当は前編だけで終わってました。今だから言うけども。汗
出てきたネタ其処までだったんですもの。
自分的にはこれ…完結しないとね、納得出来ん…もん。
ハッピーエンドじゃないと嫌な人です。ハイ。
死ネタなんて絶対嫌ですからね。マジで。
そんな奴です。笑
うだうだ言わず後編ですよね。
ではどうぞ。
一輪の花 後 編


土方は、屯所に戻ったのは夜遅く深夜であった。

誰にも見つからずに屯所に戻る事なんて出来るはずも無く、近藤の妾の家に一先ず千鶴を預ける事にした。
最初、妾は何が起きたのか即座に判り医者の手配や、千鶴の為に新しい着物等を整えてやる。

土方はこのまま屯所に戻ろうとしたが、千鶴が自分の袖をきつく握り締め離そうとしない為こんな時刻までになってしまった。
無論妾である彼女に屯所に文を届けてもらい事の事情はもう幹部達に伝令として伝わっているだろう。

それから数刻後、一人逃がした男は今もう屯所にひっ捕らえたと言う文も届いている。

夜道を歩き土方は、これからどう制裁を与えてやろうかと模索する。
千鶴の受けた心の傷は計り知れないものだろう。

簡単に楽にさせてやるものか…じっくりとやってやる。

この時の土方は、憎悪にも似た気持ちを漂わせ辿り着く。

「あ、土方さん。お帰りなさい千鶴ちゃんの容態はどうですか。」

門を潜った所で笑顔でしゃべってくる総司の声の裏には冷たい様なでも千鶴の事は心配なのだろうと土方は思う。

「落ち着いたがな錯乱は…体と心が壊れるかの境目らしい、今は高熱で魘されているがな。」

ため息交じりに土方は通り抜けようとするが目の前に立ち塞がり始める。

「なんだよ…総司。」
「何って、僕土方さんをとうせんぼしてるんですよ。」

何故こんな事をすると土方はイラつく。

自分は一人取り逃がした男に制裁を与えくべく拷問部屋に向おうとしていた。
それなのに総司に引き留められるのは釈然としない。

「邪魔すんな、これから俺はあの野郎に制裁を」
「駄目ですよ土方さん。あれは僕達の獲物ですよ。」

笑顔の裏に瞳は冷たく獲物を狙っているような瞳で総司は土方に伝える。
自分だけの獲物ではない、これは新選組幹部総出であの大事な花を傷つけられたのだからと言うのだ。

「それにこんな所に戻ってこなくて良いですよ、彼女の所に戻ってやってあげた方が良いと思うな僕は。そう思わない一君と平助も。」

いつの間に来たのか、斎藤と平助がが沖田の横に立っていた。

「土方さん…本当に済まない俺が近くに居ながら…」

平助は後悔と自分が千鶴を護れなかった事に今も申し訳無く土方に訴えかける。

「俺に言う事じゃねぇよ平助。それにあいつに巡察の同行許可出したのは俺だ。だからてめぇだけのせいじゃねぇ。」
「でも…」
「その位にしておけ平助。」

納得がいかない平助は言い募ろうとするが、それを斎藤が割って入る。
今ここで言い合っても始まらないと嗜める。
仕方なく平助は黙る。

「副長、ここは我々に任せてください、今彼女が必要なのは貴方です。」
「だがしかし…」

自分は間に合わなかったのだ。
そんな資格は無いのではと土方は、心の何処かで自分を責めている。

「鬼の副長ともあろう方がそんなんでどうするんです。だったら僕が千鶴ちゃんを貰っちゃいますよ。」
「総司てめぇ…」
「ほら、譲る気も無いんだったら戻って下さい。きっと千鶴ちゃんあんたの助けを今でも待っているんですから。」

なにを根拠に総司が言うのが判らないが、今は最優先に遣るべき事は、彼女の傍に居る事だと再確認させられる。
土方は踵を返しかけたが、ふと平助の方を見て去り際に言う。

「千鶴が戻ってきた時にどうしても自分に納得がいかねぇなら謝ってやれ。」

その一言で平助は頷く。
それが土方なりの平助への気遣いだろう。

不再び土方は、屯所の門を出て千鶴の元に戻る。
土方の姿が見えなくなり、沖田はため息を吐く。

「本当不器用な人だよね。一君に平助君そう思わない?」
「そうだな…」
「うん。」
「平助君は兎も角珍しい一君と意見が一致するなんて。」

冗談めかしに言う総司に斎藤は何も無かったかのように拷問部屋に戻る。
その後を追うように総司と平助も向う。

幹部の皆は土方と千鶴の恋仲関係だと知っている。
だからそんな互いの気持ちを踏みにじる輩を許しておく事など出来ない。
今も拷問部屋では、血生臭い事が繰り広げられている。

そう簡単には楽には逝かないと一昼夜繰り広げられた。





暗闇の中千鶴は一人全力で走っている。
後ろから黒い無数の手が浮かび上がり千鶴を捕まえ様としているのだ。

イヤ…怖い…触らないで…

恐怖だけでは無い…気持ち悪い体中に絡められる様な感覚…
無数の手は遂に千鶴を捕まえ押し倒す。
暴れても抵抗の意味も無く体中を触られ千鶴は泣き叫ぶ

土方さんっ!!!!!助け…て

何度もあの人を呼ぶが助けにすら来ない。

もうイヤ…私なんて居なくなればいいんだ…

こんな思いするのならもう…


諦めかけた時頭上から白く輝く光があふれ出し、今まで自分の身体に無数の黒い手が消え去る。
何が…と千鶴は思い瞳を上げる。

すると瞼の上に冷たい布が被されているのだが、その上に暖かな手らしきものが触れている。
ごつごつとした指先…この感覚は忘れもしない土方の手だとわかる。

「…っ…土方…さん…」
「千鶴!!!大丈夫か、魘されてたが…あ、手が邪魔だな。」

頼りなげに声を発した千鶴に今まで乗せていた手を退けようと土方が離れかけたがそれを千鶴はその手を掴む。

「お願い…離さないで…下さい。」

手は震えているがそれでも離さないという意思が手に取るように判る。
そのまま土方は、手を離さず千鶴のしたい様にさせる。

「離さねぇよ…絶対に。」

もう片方の手を更に千鶴の手に触れてやる。
すると千鶴は涙を流す。
この暖かな彼の手がとても今の自分に安心を安心を与えてくれるのだ。

暫くして、落ち着きを取り戻した千鶴は何が起こったのかもはっきりと覚えている。
だからといってそれが無かった事にはならないのだと自分にいい聞かせなんとか土方の前ではと無理に笑顔を作ろうとするのだが、どうも旨くいく訳も無く。
そんな彼女の姿に土方は抱き締める。

「無理をするな千鶴。俺はお前が無事でいてくれただけで嬉しいんだ。」
「気休めは止して下さい…私は、汚れて…」
「汚れてなんかねぇ。」
「そんな事無い!!!土方さん嘘言わないでください私あの人達に体中触られました。今でもあの感触があって…ひっく…気持ち悪いんです…」

キッと土方を見つめ言うが、徐々に顔は涙で崩れ土方から離れようと暴れだす。
千鶴は熱があるせいか、暴れたといっても力は出せていない。

「そんな感触俺が消してやるよ。」

そう言って土方は、千鶴の唇を奪った。
千鶴の瞳は見開きもしたが、徐々に瞳を閉じ受け入れる。

角度を変え、貪りつく唇と唇が触れ合い、そのままゆっくりと怯えさせない様に布団に寝かせ覆いかぶさる。

潤んだ瞳のうわ瞼に唇が触れ、頬に手を沿え唇に触れそのまま首筋に唇をずらし脅かせない様に奴等に触られた箇所を塗り替える様に土方は優しく触れていく。

ピクリと反応を示す千鶴にもう一度顔を近づけもう一度唇に触れる。

「もし怖くなったら言え。俺はお前が嫌がる事はしたくない。」

まっすぐ見つめる土方に千鶴は両手を首に抱き締め小さく耳元で囁いた。

「今更…です。私は貴方だから嫌がる事なんて無いです。私が怖いのは貴方が私から離れる事です。」

その言葉に今度は土方が驚く番だった。

「離れる訳ねぇだろ。俺はお前を手放したりしない何があっても。」

千鶴を抱き締め耳元で囁き返した。
その言葉に千鶴は涙を浮べ、「離さないで…」と自分から土方に唇を奪った。
千鶴からの行動により土方は優しく彼女の心の傷を消す様に塗り替えていった。





暖かな温もり…

私を包んでくれる…

もう心が満たしてくれる。

暖かな光。

ゆっくりと千鶴は瞼を開け確認する。
もうあの無数の手の感触が無い。
暖かな温もりが私を抱き締めてくれる。

それが土方だと認識すると、千鶴の心は温かくなってくる。
土方の胸板に擦り寄り再び瞳を閉じる。

もう大丈夫…貴方が与えてくれたこの温もりがある限り…



千鶴の寝息が聞こえるとゆっくりと土方は瞳を開ける。

そして、ゆっくりと起き上がり部屋を出る。
すると少し離れの部屋に入るとそこには山崎が現れた。

「状況は。」

鋭い口調で土方は、山崎を見据える。

「ただの腹いせに彼女やったそうです。」
「楽にさせるなよ。」
「元より皆がそんな事にならないかと。」

幹部達は元からその気であったという事は知っているが、自分が制裁を出せないのが残念で仕方がなかった。
千鶴をあんな目に遭わせた報いを自分の手で下したかったのだ。

「そうか…千鶴の方は今日辺り戻れると思う。そう伝えといてやってくれ。」

それだけ言うと土方は千鶴のいる部屋に戻っていった。

「了解しました。」

土方を見届け山崎はそのまま姿を消えた。



それから昼過ぎに千鶴を連れ土方は屯所に戻る。

平助は一目散に千鶴に近づくが少し距離を取る千鶴の行動に判ったのが、

「御免吃驚させて…それと悪い俺が一緒に人に着いていながらあんな事になって。」

申し訳なく謝る平助に千鶴はゆっくりと近づく。

「謝らないで下さい、平助君。あれは私が不注意で起こった事です…それにもう私は大丈夫です。」
「千鶴…」

笑顔を向ける彼女に対して平助は済まなそうにする。

「もうそれくらいにしとけ平助も。まだ千鶴は本調子じゃねぇ、こんな所で突っ立てないで休ませてやれ」

何時もの態度で土方は、二人の間に割って入る。

「土方さんわりぃ、気づかなくって。千鶴ゆっくり休めよ。」

そう言って平助は広間に戻っていった。

「あ…」

何か言いかけたが、それ以上言葉にすることも出来ずにいると土方が、ポンと頭に触れる。

「お前ももう気にするな。」
「でも…」
「あいつはお前が心配で仕方なかったんだ。」
「私は、まだ…」

何を言いたいのか判っている土方は、抱き寄せる。

「ゆっくりで良い。慌て皆と距離を近づければいいんだ。何時ものように」
「はい。」

まだあんな事があったばかりで人には近づきづらいけれど------

でも…それはずっと心の傷として残るけど------

何時もの様に皆さんと近づけれるよう頑張ります。

それに…彼が塗り替えてくれたから-----

そう千鶴は思った。

それから何日か経って…
千鶴は完全に立ち直る土方達に因って。


手折られた花はもう一度添え木に支えられ美しく開花する。

fin
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